【リハビリコラム】杖について

【リハビリコラム】杖について

 

皆さんの周りに杖を使っている方はいらっしゃいますか杖を使っていても持ち方が間違っていたり、杖のメンテナンスを怠っていたりする方も時々みられます。そこで今回は「杖について」お話していこうと思います

 

杖の種類

①T字杖

転倒予防で使ったり、少し足に痛みがあったりと少しでも歩行に不安がある時に最も使われている杖です。

T字杖は介護保険でのレンタルが不可能で、購入が必要です。

 

②4点杖

脚が4つあるため、支持性が高くT字杖より安定性が高い杖です。この杖は、片麻痺などで足が前に振り出しにくく、歩行が不安定な方や背骨の曲がっている方、姿勢が悪い方が適しています。しかし、T字杖より重さがあったり、杖先の4点部分を水平につかないと、不安定になったりするデメリットもあります。

4点杖は介護保険でのレンタルが可能な杖です。

 

③ロフストランド杖

サポート力が高く、安定性も他の杖に比べて高い杖です。カフとグリップの2か所で体重を補助するため、他の杖に比べて体重をかけやすい特徴があります。

そのため、麻痺や筋力の低下のある方で、T字杖や4点杖では身体を支えきれない方が適しています。

ロフストランドは介護保険でのレンタルが可能な杖です。

 

他にも④~⑥のような杖もあります。

 

杖でもいろんな種類がありますよね。今回は上記の3つの使い分け方を説明しましたが、少しでも参考にして頂けたらいいなと思います

この中でも最も一般的な「T字杖」についてお話していきます。

 

T字杖の正しい使い方

・高さの合わせ方

足の大転子という骨の出っ張りと、持ち手の高さが合うように調節します。これはあくまでも目安です!実際に持った時に肘がちょっと曲がるくらいの高さで、片足立ちをした時に杖にしっかり体重をかけられる高さが望ましいです。この時に肩が上がり過ぎているのは望ましくないので、高さを低くして調整して下さい!!

この写真では、杖の高さが高いため肩が上がっていますね。

こちらの写真が丁度いい高さなのでこれを目安にして下さい

 

・持ち手の確認

杖は利き手で持つと安定しますが、片方の足の痛みや片麻痺の場合は、反対の足側で持ちます。

(※例)右足に痛みor片麻痺がある場合は、左手で杖を持ちます!

また、持ち手の形や材質など種類があるので、持ちやすさなど自身に合う杖を選ぶのが最適です!

 

・握り方

杖の持つ手が長い方を後ろにして使うようにして下さい。この時に長い部分だけを持ってしまうと杖を地面についたときにグラグラし、不安定になるため、下記の正しい持ち方をして下さい

 

・付き方

杖の付き方でも2つのパターンがあります。

3動作歩行

この歩行は、足や腰、膝などに痛みがある方や片麻痺のある方、初めてで使い慣れていない方など、身体機能が低く、安定性を重視したい方に適しています。

この①→②→③というリズムを繰り返して歩くことで、安定した歩行が行えます。注意としては、②の時は麻痺や痛みのある方の足から出して下さい。歩幅は狭くてもいいのでゆっくり歩いて下さい。

 

2動作歩行

この歩行は、足や腰、膝の痛みも少なく、麻痺の軽い方や3動作歩行では歩きにくい方が適しています。

この歩行は、3動作歩行よりバランスの不安定性がありますが、テンポ良く歩くことができます。「1、2・1、2」とリズムに合わせると歩きやすいです。始めに足を出すときは、麻痺や痛みのある方の足から出すことを意識してください。

3動作歩行時より、歩行時のバランスが良くなったり、筋力が増えたりして身体機能が高くなった場合に2動作歩行にシフトするのが良いです。

 

余談ですが、階段昇降時の足の出し方もあります・・・。

階段を昇る時は、杖を先に上げて麻痺や痛みのない方の足を先に昇ります。また、降りる時は逆に、杖を先に下ろして麻痺や痛みのある方の足から降ります。

「昇りは良い方、降りは悪い方」を頭の片隅に置いておいて下さい

 

杖先のゴムのチェックはしていますか

杖を安全に使用するためには、日頃から杖の状態をチェックすることが大切です

特に滑り止めの役割を担う杖の先ゴムは、使用するうちに少しずつ擦り減ったり、固くなったりしていきます。また、ゴムが欠けていると滑り止めの役目もなくなってしまいます。

このような状態で放っておくと、滑りやすくなってしまうので早めに交換しましょう

杖先のゴムはホームセンターやT字杖を売っている場所にあります。杖先の交換をする際は、ゴムの太さや種類もいろいろあると思うので、実際に杖を持っていったり、定員さんに聞いたりしてその杖に合うものを購入して下さい!

また、ゴムの付け外しに自身がない人や力がない人は、福祉用具の業者に頼むか力のある人にしてもらうといいです!杖先のゴムがしっかりついてなかったら事故につながることもあるので、注意してください!

 

皆さん、杖の持ち方やメンテナンスはしっかりできていましたかもし、できていない人がいれば、この機にゴムの変更や杖の高さの確認、正しい杖の持ち方にして使用してみて下さい

 

 

 

 

  
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