リハビリコラム 脱臼について
皆様、こんにちは!
遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
本年もより一層、良い環境でリハビリができるよう、リハスタッフ一同、頑張って参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
本日のブログでは、股関節の骨折の手術後に対する、脱臼についてお話ししていきます。
脱臼とは、肩や肘、股関節、膝など、骨と骨を繋いでいる関節が外れてしまった状態のことです。脱臼をしてしまうと、動かすことも難しい程の大きな痛みを伴います。
今回は、股関節の骨折で手術をされた方が、脱臼してしまうことがないように、注意が必要な動作や、効果のある運動についてお話ししていきます。
股関節を骨折された方の手術では、下記のような金属やプラスチックでできたものが、大腿骨の空洞(髄腔)に挿入されています。
このような金属やプラスチックを挿入するために、太ももの前から切開する前方アプローチと、太ももの後ろから切開する後方アプローチがあります。
切開の方法によって、脱臼しないために気を付ける動作が違うため、きちんと理解をした上で、安全な生活を送って頂く必要があります。
ここまでの話で、どんなことに注意をしたら良いのか疑問に思われる方も多いと思います。まずは、脱臼肢位(脱臼しないようにするために、注意しなければいけない動作)について説明していきます。
〇脱臼肢位
・前方アプローチで避けた方が良い動作
足をクロスする動作で前に体重がかかる動作は、高い所のものを取る際や、電球などを取り換える際に過剰な力が入り危険です。
・後方アプローチで避けた方が良い動作
股関節を曲げて膝を内側に入れる動作は、脱臼の恐れがあります。日常生活では、靴を履いたり脱いだりする際に注意が必要です。
股関節を深く曲げる動作も脱臼の恐れがあります。低い椅子に座ったり、体育座りは負荷がかかりやすいため、できる限り避けましょう。
脱臼肢位について理解ができたところで、脱臼の予防をするために、効果がある運動についてお話ししていきます。
・片脚立ち
片脚立ちをすることでお尻の大きな筋肉や、深い筋肉を鍛えることができます。お尻の筋肉を鍛えることで脱臼を予防することができるため効果的です。
【頻度】10秒~20秒(左右ともに)
・クラムシェル
横向きになった姿勢で、両膝を曲げます。踵を付けたまま、膝同士をゆっくり離していきます。お尻の筋肉を鍛えることができるとともに、骨盤や股関節のアライメントの安定に繋がります。
【頻度】10回×2セット
このような動作に注意して、脱臼しないようにする必要があります。脱臼してしまう確率は、手術件数全体の1~3%以下であり、過剰に怖がってしまうのも良くありません。
脱臼が怖いからという理由で、行うべき運動を控えてしまったり、寝たきりの状態が長くなってしまうと、筋力の低下にも影響してしまいます。無理のない範囲で、適度に関節を動かしていくのも大切です。
手術方法や、脱臼肢位を理解すると、手術後の脱臼のリスクを避けることができます。正しい知識を理解して、安心できる日常生活を送っていただければ幸いです。